金剛寺ブログ

~春彼岸会 正御影供~

先日大阪にも桜の開花宣言が発表され、また住職が活けた桃の枝にもかわいらしい新芽が顔を出し、お寺のもみじにも小さな若緑色の葉が出て春色の深まりが感じられるこのごろですが皆さまはお元気にお過ごしでしょうか?

さて、お寺では住職と老僧で3/20お中日に春彼岸のご供養をおつとめしました。

お彼岸とは本来、サンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)を翻訳したもので、「迷いの此の岸(此岸(しがん))」から修行することで「迷いを断ち切った悟りの彼の岸(彼岸(ひがん)))へ到達することをいいました。

日本では昼と夜の長さが同じになる春分と秋分の日は極楽浄土へご供養が通じやすい日と考えられるようになり、春分の日と秋分の日を挟んだ前後三日の計七日間をお彼岸とよんでいます。この期間に御供養をすることで、極楽浄土へご先祖様へのご供養がより届くと考えられています。

また3/21は宗祖弘法大師空海様が、世の中が平和であるように、人々の幸福を祈り続けるために高野山奥之院にて御入定された日です。

当山においても大師護摩を焚き、住職と老僧で正御影供をお勤めし、今でも人々のために祈り続けているお大師様への報恩謝徳(感謝の気持ち)を伝えました

私達もお大師様の様に皆の幸せを祈り続けられるように、これからも精進してお参りしていきたいと思っております。

「暑さも寒さも彼岸まで」と言う言葉のある通り、季節の変わり目でございます。何卒ご自愛くださいませ

弘法大師空海様の言葉

原文

道うこと莫れ、此の華今年発くと。応に知るべし。

往歳種因を下すを、因縁相感じ枝幹聳ゆ。

何に況んや、近日早春に遇うをや。

意訳

この花は今年咲いたのだ、と言ってはならない。毎年種をまき続けた結果、いま花開いたのだから。因果の法則で枝や幹が空に向かってそびえていった。そして春に出会えたからこそ花になった。

『空海人生の言葉 現代語訳』 川辺秀美 編訳 
「ディスカヴァー携書」 参照

皆でそれぞれの花を咲かせていきましょう。